ZINのスタッフおすすめ作品をおすすめするこのコーナー、
今回紹介するのは、山崎毅宜先生『ほしの女王様』(メテオコミックス)です!
10年前に異星人との接触を果たしたものの、
特に何も起こらないまま奇妙な共存関係を続ける街。
そんな街から始まるSFアクションジュブナイル!
■日常の終わりと異形のしっぽ■
責任感があるけど、跳ねっ返りで、素直じゃない。
主人公の好意を知っていて、その上でからかってくる。
愛嬌があって憎めない憧れの先輩・葵。
そんな彼女に恋心を抱き、翻弄されつつもしっかりサポートする主人公の鉄。
二人はなかなかに相性の良い、お似合いの二人に見えます。
会話の端々・やり取りから実に青春だなあ、いい関係だなあ――と思っていると。
そんな平和な青春の日々は学校に現れた謎の物体に触れたことで
唐突に終止符が打たれます。
本人の気づかないままに葵の体に現れる変化。
やがて彼女の体には異形のしっぽが!
ああ、憧れの先輩は人間ではない何かになってしまった……?
■ダイナミックなアクション!■
そして葵をめぐっての大立ち回りが始まるわけなのですが。
山崎毅宜先生の前作『白球少女』。
何でコメディなのにこんなにダイナミックな構図のアクション連発なの!?
野球しない野球漫画がとにかく動く! というとてもおもしろい作品です。
(こちらも非常におすすめですが今は入手困難なのが残念………)
その山崎アクションが更にパワーアップして展開!
唸りをあげる異形の尻尾、スピード感あふれる攻防、
次々と変わっていくアングル、迫力のアクション。
しなやかで健康的な肢体にグロテスクな異形のパーツ。
異形と融合した彼女はどこかエロティックでさえあります。
葵と、彼女を「駆除」しようとする異形の美少女同士の戦いは
妖しい美しさに満ちています。
■「先輩」は先輩なのか!?■
そんな戦いも終わり――
昨日までの平和な青春の日々は失われてしまいましたが、
常態に戻った葵の不敵な態度なことと言ったら!
ああ、確かに鉄が惚れるのも無理ないわ……という感じですが、
普通の女子高生だったはずの彼女にしてはちょっと不敵すぎやしないだろうか?
こんな突然の非日常の中で、そんな落ち着いていられるものなんだろうか?
果たしてそれは本当に「葵」なんでしょうか?
葵は一体どうなってしまっているのか。
異星人は一体何が目的なのか、そして「女王」とは何なのかという謎。
葵と鉄の恋と運命の行く先はどんなことになるのか。
――などなど、様々に気になる伏線と謎を張り巡らしつ物語は続きます。
ああ、早く2巻が発売にならないかな!
『ほしの女王様』はコミックメテオで連載中。
気になる人は試しに読んでみよう!