皆さんこんにちは、あるいはこんばんは。
12月は面白いたくさん漫画が出て嬉しい半面、財布に厳しくもあって
なかなかに大変でもあります。
財布の中身を気にせず本を買える、そういう人に私はなりたい。
さて。
本日のおすすめの1冊は、ゲッサンで連載中の『リンドバーグ』。
『ガゴゼ』で平安の闇の世界を描いたアントンシク先生の新作は、
一転して空を目指す少年の冒険青春物語。
飛行に関することを禁じられた国で暮らす少年・ニットと
彼のペットの不思議な生き物・プラモ。
閉塞感に満ちたその生活の中に謎の人物・シャークが突然現れ、
空へ向かって運命が動き始める――
父の背中を追って、空に思いを馳せる少年、という
背骨のしっかりした物語があり、魅力的な設定とキャラクターたちが
そこに華を添えます。
話の導き手となっているシャークの、
敵か味方か分からない得体の知れなさが物語に緊張を与え、
空を飛ぶ事のできる不思議な生物「リンドバーグ」の謎、
世界の謎が読者をぐいぐいと引き込んでいくこと間違いなし。
そして、描き込まれた人物・背景、独特のデザインをした船や
リンドバーグの造形など、ビジュアル面での見どころも盛りだくさん。
第1巻で離陸したばかりの物語が向かう先に興味がつきない、
おすすめの1作です。是非に。