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スタッフおすすめ作品:伊吹契先生『牢獄のセプテット』(星海社FICTIONS)
2016/01/26
【スタッフおすすめ作品】

こんにちは、COMICZINです。
えらいこと休んでしまっておりましたが、
またここで定期的にスタッフのおすすめ作品を紹介していきたいと思います。
久々の今回は漫画ではなくて、小説作品をご紹介です!

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伊吹契先生『牢獄のセプテット』(星海社FICTIONS)

■舞台はフランス。しかし我々の知るフランスではない■

舞台は1909年のフランス。第一次世界大戦を前にして
ドイツとの緊張が続いていた時代。

しかし――本作ではそのフランスは我々の知る
第三共和政時代のフランスとは少々異なり、
その国内にもう一つの国家を抱え続けているのです。

かつての大牢獄を本拠地とし、防壁によって囲まれた
絶対王政が続く国、通称「閉鎖都市バスティーユ」。

対外的にはその存在を隠されたこの国が本作の舞台なのです。
我々の知る歴史と違うIFの歴史を歩んだこの世界。
このバスティーユの歴史も作中で語られますが、それがまたとても興味深いのです。

そしてその国を支える、人の心に強力に作用する超常の力「旋律」。
列強に一つづつ、貴種のみが有するというその旋律の力を、
バスティーユには8つも存在するという――。

その謎を探るために、主人公であり探偵の碓氷玲人郎は
この閉鎖都市に潜入することになるのです。

■ヒロインがかわい……ポンコツだコレ!?■

その玲人郎のパートナーとなるのが、イギリスから派遣された
「旋律」が通じないというエージェント・アリサ。

最初はデキる女かと思いきや……とんでもないポンコツだコレ!?
フランス語はできない、役立つ知識も特技もない、お菓子を食べて寝てるだけ……。

基本的に役に立たない彼女ですが、マスコット的な可愛らしさを振りまく
作中の癒やしとして大活躍です。
同時にとんでもないトラブルメーカーでもありますが。

(伊吹先生の前作「アリス・エクス・マキナ」をお読みになっている方は
 名前でピンと来るかもしれませんね)

そしてもう一人。
バスティーユ入国後に協力者となる正統派美少女・リリィ。
彼女が何者であるかは伏せますが、
その行動と意志なくして物語が成り立たない重要人物。
その重要さとは不釣り合いな未熟さ・危うさも魅力の一つとなっています。

さらにもう一人――ヒロインと言っていいのか、
ちょっとドキドキしちゃう恥じらいの乙女が登場します!
その一挙手一投足が可憐です!

■目的を同じくする仲間――のハズだけど!?■

そんなヒロインたちと行動をともにしつつ、バスティーユの旋律を探り続ける玲人郎。
しかし彼にはその調査よりも重い目的があります。
バスティーユにいる父を殺した敵・外崎燈子の殺害。
その目的のためであれば手段は選ばないと覚悟を決めている彼は、
その本心を隠して彼女たちとの協力関係を築き続けます。

そしてヒロイン・アリサが抱える、絶対に隠し通さなくてはいけない重大な秘密。
この秘密を抱え続けても事態は悪化する、でも打ち明けたら全てが終わる……
そんなとんでもない爆弾です。

それぞれに後ろ暗い思いを秘めながら、
閉鎖都市の調査は一体どう進んでいくのか――。


興味深い歴史を経て誕生した「閉鎖都市バスティーユ」。
敵国のまっただ中で頼りになるのは少数の仲間だけという緊迫感。
時に癒やしとなり、時に危うさを見せるヒロインたち。

一度読み始めたら引き込まれること請け合い、
伊吹契先生『牢獄のセプテット』、オススメです!

あと、注目ポイントはひじきです。ひじき。

また、伊吹先生は「牢獄のセプテット」外伝のお話も公開されています
こちら、本編を未読でも楽しめるので興味がある方はぜひ!


■通販もありますよ■

[ 担当:長 ]