本日紹介するCOMICZINのスタッフおすすめ作品は
平尾アウリ先生の『推しが武道館行ってくれたら死ぬ』(リュウコミックス)!
マイナーな地方地下アイドル「ChamJam」の人気最下位メンバーの舞菜。
その娘の熱狂的なファンのえりぴよさんの人生を賭けた応援の日々を描く
百合コメディ、見どころいっぱいです!
■嗚呼、すれ違う好意■
バイトで稼いだお金は全て推しであるところの舞菜につぎ込み、
イベントがあれば万難を排して参加する。
まさに人生の全てをかけて舞菜を応援しているえりぴよさん。
でも舞菜から彼女に対してのレスポンスは何だか塩対応で……?
一方、舞菜の方も毎回熱烈に応援してくれるえりぴよさんの事は大好き。
でも、えりぴよさんはこれだけ応援してくれるのに、
何だか重要なところで避けられている……? と感じています。
その引け目と自信のなさが遠慮がちな対応になってしまって……。
お互いに想いは同じはずなのに、些細な誤解や事故が積み重なって、
二人は悲しいすれ違いをしたままなんです――。
■愛に見返りは求めない■
人生を賭けた推しの舞菜から毎度しょっぱい(と感じてしまう)対応を受け続ける
えりぴよさんですが、それでめげたりはしません。
だって好きだから。塩対応も含めて舞菜が好きだから。
好きで好きで好きで仕方ないから。
彼女の愛情は自分のその気持が届くことではなくて、
舞菜が幸せになること。人気が出ること。
「わたしはアイドル頑張ってる舞菜が好きだから――」
「だからわたしのものにって言うかみんなのものになってほしい」
そう言い放つえりぴよさん。自分が一番舞菜を好き、
そんな何があっても好きという強い愛情が支えています。
絶対の愛です。見返りを求めない純愛です。
えりぴよさんを始めとしてChamJamのファンの皆さんは本当に楽しそうです。
お金や時間をどんなに注ぎ込もうが、周囲からどう思われようが
「好き」だから、という唯一にして最強の理由で彼らは「推し」を応援し続けているのです。
■でも愛が強すぎて大変なことに!?■
そんな強い愛でドルオタ道を脇目もふらず力強く歩み続けるえりぴよさん。
でも、愛が強すぎて行動は空回り気味で、時に周囲の目には奇矯に映ることも……。
そんなえりぴよさんの空回る愛と、噛み合ってない想いのすれ違いにより、
その純愛は毎回キレッキレのギャグ展開に。
美しい愛がすっ転んでしまう、笑いの連続です。
平尾アウリ先生の作品を未読の方は、
その繊細な絵柄からシリアスな恋愛モノを想像されている方もいるかもしれません。
いや、もちろん心の機微を描く繊細な作品ではあるんですが、
この「推し武道」はおもいっきり笑える百合コメディなんです。
さあ、この『推し武道』が気になってきた貴方!
『コミックリュウ』公式サイトに試し読みもありますので、まずは読んでみてはいかが?
きっと爆笑の百合世界が貴方を待っていますよ!